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令和4年度大学院学校教育研究科(昼間)入学式式辞

 大学院学校教育研究科182名の皆さま、ご入学本当におめでとうございます。大学を代表いたしまして心よりお祝い申し上げます。今日は天気が良く、桜も満開でコロナ禍を忘れるようないい日になったと思います。

 皆さまは非常に多様な背景をもつ方々です。現職教員で、派遣で来られている方、修学休業で来られている方がおられます。さらにはお仕事を持って大学院に来られている方、あるいはお仕事を辞められて新たな職に就くための能力や資格を得るために入学された方。そして、大学学部を卒業してすぐにさらに学びを深めるために入学された方、そういう方々がおられます。目的はそれぞれだと思います。ぜひ、目的をこの2年ないし3年でかなえてください。私どもはそれを全力で支援いたします。

 そういう皆さまに対しまして、私、学長から3点ほどお話ししたいと思います。

 一つ目です。大学もこの2年間のコロナ禍の中で、ご存じのようにオンライン授業、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の授業、学生がオンラインにするか対面にするか選ぶことのできるハイフレックス型の授業、こういうものがメインになってきました。もちろん、対面もありますが、オンラインを活用する授業のスタイルが主流になっております。皆さまが修了される2年後にはコロナ禍は収まっていることを強く期待しているのですが、収まっていても、あるいは収まっていなくても今よりもオンラインなどのICTを活用した学びのスタイルはもっと盛んになっているのではないでしょうか。そのための機器やソフトはかなり性能アップしているでしょう。

 2年間、あるいは3年間そういう世界の中で学ぶことになります。修了後は大方の方は今度はする側に回りますので、受ける側での経験、こうするとうまくいくとか、こういうやり方はまずいのだなとか、そういうことをじっくりと考えていただいて、行う側に回ったときにぜひ生かしていただきたいと思います。

 それともう一つ、大学教育にとって対面はもちろん変わらず大事ですが、オンラインを活用した授業、ハイブリッド型の授業をいかにうまくつくっていくかが、本当に問われています。大学教員にとってもオンライン授業のスキルを上げることが、本当に求められています。大学もこういう発展途上にありますので、受ける側の皆さまからも大学教員に対して積極的にいろいろ意見をいっていただいて、相互に高め合う姿勢を持っていただけると大変ありがたいと思います。

 二つ目は大学院での学びの在り方です。大学院での学びは、言葉が適切かどうか分かりませんが大人の学びになります。大人の学びとは何か。自分で目的を持ち、課題を持ち、そして自分の計画を持つことです。別ないい方をすると、依存が過ぎてはいけないということです。指導教員と信頼関係をぜひ築いてください。いい関係を築いて、いい学びをつくっていただきたいと思うのですが、過度に依存し過ぎますと指導教員が必ずしも期待どおりではなかった場合、そういうことがあってはならないのですが、困惑してしまうことになります。

 また、自分の目的と課題、そして計画を持っていないと、周りはみんな優秀に見えますので不要な焦りに繋がります。自分の目的はこうなのだと、自分の計画はこうなのだということを、もちろんそれは変更してもいいのですが、常に意識しながら学びを深めていってください。一定レベルに達すればどなたも修了できますので、とにかく自分で計画を持ち、自分の目的をその計画にのっとって達成することを強く自覚してください。そういうものがないと思われる方は、ぜひ今から持つようにしてください。

 最後三つ目です。実はこれが最も申し上げたいことですが、大学院の2年間ないし3年間では、今申し上げた目的を達成してください。何らかの資格を取るでもいいし、アカデミックな力をつけるでもいいし、あるいは教員免許を取って教員に就職するでもいいのですが、それとともに修了後も、さらに学びを続けていかなければなりません。皆さまは教員であろうと、心理専門職であろうと、例外なく高度な専門職です。高度な専門職は学び続けなければなりません。さらに、人生百年時代です。引退後も学ばなければ多分やっていけなくなります。しかも、変化が激しいです。学び続けることが必須です。大学院で学び続けるための基礎力といいますか、土台のようなものをつくっていただきたいのです。

 例えば、調査法を学ぶと思います。統計的な調査法や質的な事例研究の方法は有用です。学術論文の読み方であるとか、これからは何よりも、先ほどオンラインでの学びを申し上げましたが、ICTの活用力です。これは必須です。学校現場では1人1台、児童・生徒は端末を持っています。この端末を活用したデータの処理です。端末を使って情報を集積すると、AIがそれを解析する。そういう世界になります。そのためのAIとデータサイエンスを学んでください。これらは学び続けるための力となります。

 本学は教員養成フラッグシップ大学に文科大臣から指定されました。教員養成フラッグシップ大学はSociety5.0に通用する教員を先進的に育成する大学であり、全国から4大学が指定されました。そこでは、今、申し上げたICT活用力やAI、データサイエンスの授業を行うことになっていますので、正規のカリキュラムで、あるいは正課外もあると思いますが、ぜひ心掛けて受けるようにしてください。時間があれば放送大学でもやっていますので、そちらで習得することもできます。

 それから、学び続けるために二つ目に大事なことは、ネットワークです。こういう場に皆さんは集いました。大学院に入学する方は程度の差はあっても、学ぶ意欲はものすごく強いです。そういう強い学びの意欲を持った方々とのネットワークをつくって、修了後も継続することです。皆さん、かなり広範囲から来ておられます。全国から来ておられるということです。これからは、先ほど申し上げましたようにオンラインの世界になってきます。別れ別れになって遠方に行かれても、あるいは外国に行かれてもオンラインがあればすぐ交流できます。学びの仲間は日常的に交流できるようになっていますので、ぜひ大学院で学びのネットワークをつくってください。

 そして、最後にもう一つだけ申し上げます。これから変化の時代を生きて、変化の中で学び続けることは、私自身が今もそうなのですが、結構ストレスがかかります。ストレスに打ち勝って学び続けるためには何が必要か。健康が一番です。健康をつくってください。例えば、忙しくてなかなか病院や歯医者に行けなかった方、持病を必ず治してください。あるいは、生活習慣が良くない方、食事をよく取っていないとか、運動不足だとかいう方は、食事と運動の生活習慣をこの大学院生活で確立してください。要するに申し上げたいのは、心身の健康が学び続けるための一番の土台になるということです。それを、この機会に身につけてください。

 そういうお願いをいたしまして、私からのごあいさつとしたいと思います。この2年ないし3年が、皆さまにとって次の人生のステップにつながるものであることを祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉といたしたいと思います。どうぞ頑張ってください。

令和4年4月5日 兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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