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令和4年度大学院連合学校教育学研究科入学式式辞

 兵庫教育大学長、加治佐からお祝いの言葉を述べさせていただきます。令和4年度兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科への39名の入学生の皆さま、ご入学本当におめでとうございます。構成6大学を代表いたしまして心よりお祝い申し上げます。

 まず、私が皆さまに申し上げたいのは、研究活動や学びにおいてオンラインを有効に活用していただきたいということです。入学試験がそうでありましたように本連合大学院での授業や研究指導はオンラインが多用されております。皆さまの学会等での研究活動もオンラインを通じたものがかなり多くなっています。構成6大学は距離的にかなり離れておりますので、移動を伴わないオンラインは利便性が極めて高いのです。コロナの行方にかかわらずこれは続くと思いますので、オンラインの利便性を享受するとともに、研究に関わるオンラインのスキルを格段に上げていただくようにお願いいたします。

 私が今日、皆さまに特に申し上げたいのは、「研究者として本物の力」をつけてほしいことです。当然ながら、研究者としての本物の力がつかなければ博士号は授与されません。それでは、私のいう本物の力とは何かということですが、博士号を土台にして、博士号を得た後、意味のある研究成果を出し続ける能力ということであります。

 皆さまの多くは教職などの職業をおもちですので、また年齢も比較的高いことから、経済的、時間的に厳しい条件下にあるといえます。それで、3年間で博士号に到達したいとの思いが非常に強いと思います。そのことは、大変よく理解できます。また、3年間で博士号を取得することが本来の在り方ですので、私どもも強くそのことを願っております。ただ、効率性のみを追い求めて、ご自分の研究テーマに関わること以外は無駄と考えて、学びの範囲や研究の視野を狭めてしまいますと、なかなか本当の力はつかないと思います。

 例えば、本連合大学院では多数の教員がおりますので、多彩な科目の授業が用意されております。また、学生同士の交流を図るD1セミナーなどのイベントもあります。これらは研究者としての学びの範囲や研究の視野を広げるために大変意味のあるものですので、そのようなつもりで積極的なご活用・ご参加をお願いしたいと思います。

 研究はそうそう順調には進みません。学会誌のA論文を獲得することは簡単ではありません。なかには既にA論文相当の論文を複数もっておられる方もおられるでしょうが、そういう方はきわめて少ないと思います。何回トライしても採択されないことがあります。そうなりますと、自信をなくします。私もそうした経験があります。しかしながら、どの世界でもそうでしょうが、失敗や自信喪失を克服する努力こそが力をつけるためには意味があります。ここからが本番だともいえます。指導教員とよく相談されながら、粘り強く諦めずに、また謙虚に努力を継続することをぜひお願いいたしたい。それでこそ、A論文は価値があります。

 そうなりますと、結果として3年間を超えるような在学期間になってしまうこともあり得るわけですが、それは本物の研究力をつける上で意味のあることだとお考えいただきたい。博士号を得るためには効率性ではなく、本物の研究力を培うことを強く意識していただきたい。こうした観点から、つまり幅広に学ぶ、研究の視野を広げる、順調にいかないことを想定するといった観点から、もし必要なら皆さんの研究計画を見直していただきたいと思います。要するに、急がば回れということです。

 さて最後になりますが、これはいわずもがなのことなのですが、研究倫理が研究者にとって最も重要です。本連合大学院には研究倫理を学ぶプログラムがあります。博士課程学生として研究倫理の順守を本日から強く意識してください。

 それでは皆さまの本連合大学院での学びと研究が、皆さまの人生の次のステップアップにつながることを祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉としたいと思います。どうぞ頑張ってください。

令和4年4月9日 兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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