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令和5年度学校教育学部入学式式辞

 学校教育学部令和5年度168名の入学生の皆さま、ご入学本当におめでとうございます。今、お気持ちはいかがですか。本日は天気が良くて、今年は桜の開花が非常に早くて、入学式にはもうなくなっているのではないかと心配しておりましたが、かろうじてまだ残っていまして、皆さまを歓迎してくれています。

 保護者の皆さま、ご来場ありがとうございます。オンラインでも多数の方が参加されております。お子さまのご入学先として本学をお選びいただきまして本当に感謝いたします。4年間のお付き合いをどうぞよろしくお願いいたします。

 皆様のご入学にあたりまして、私、学長から二つのことをお話しいたします。

(オンラインやICTを活用した授業や学習に慣れ親しむ)
 一つは、オンラインやICTを活用した授業や学習に慣れ親しんでいただきたいということです。

 この3年に及ぶコロナ禍の中で、大学教育も大きく変わりました。皆さまの高校の学びでもそういう傾向があったと思いますが、オンラインを活用した授業が非常に増えております。オンラインのみの授業、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型の授業、対面で受けるかオンラインで受けるかを学生が選択できるハイフレックス型の授業、そういう授業が普通に行われています。

 コロナは収束に向かっていますが、コロナで急速に普及したこのようなオンラインを活用した授業がなくなっているかというと、もっと普及しています。皆さまが卒業後に行うであろう小中学校、高校の教育でも同じことです。ですから、これからの4年間のハイブリッド授業やオンライン授業の経験を、皆さまが教師になって子どもたちに指導する立場になったときに生かすと考えてください。

 オンライン授業を受ける側の気持ちは受けてみないと分からないのです。子どもが家庭にいてオンライン授業を受けるとどういう気持ちになるのかがお分かりになるでしょうから、教師になったときに、オンライン授業づくりに生かせるでしょう。そういうつもりで、オンラインを活用した授業に前向きに取り組んでください。

 とは言っても、対面による授業や交流は非常に大事です。大学教員や学生同士の関係づくりに欠かせないからです。対面での交流や学び合いがあってこそ、オンラインでも学びや交流もうまく行くようになるものでしょう。そういうことで、特に新入生については可能な限り、対面授業を実施することとしていますので、対面での学習や関係づくりを積極的に行ってください。

(EdTechやSTEAM教育を学ぶ)
 二番目に申し上げたいのは、今申し上げたことと関連するのですが、これからの教師には今までとは違う能力が求められるということです。Society5.0という言葉を聞いたことがあると思いますが、学校教育ではSociety5.0時代に生きる子どもたちを育成しなければなりません。そうすると、先生もSociety5.0に必要な力を身につける必要があります。

 例えば、ICTを活用した指導力です。EdTechといいます。また、一つの教科だけではなくて、複数教科の内容を横断的に活用して学ぶSTEAM教育です。さらには、子どもたち一人一人がみんな1台端末を持っていますので、端末に集められたデータを分析して、それを授業改善に生かすことです。そのためには、AIやデータサイエンスの知識が要るのです。さらにまた、これからますます学校でもダイバーシティが求められます。そうするとインクルーシブ教育がますます必要になります。こういうことができる力を身につけていただきたいのです。

 本学は昨年文部科学大臣から、「教員養成フラッグシップ大学」に指定されまして、全国の教員養成大学や学部の最先端を行くような取組をします。先ほど申し上げたEdTechやSTEAM教育やデータサイエンスなどの授業を開発しています。

 4年後、教師になります。当然、最初は新米教師です。ところが、このEdTechやデータサイエンスを使った教育活動では、大学を出たての方がむしろ先輩の先生方の指導役になることが期待されているのです。ですから、皆さんはそういうつもりで、EdTechやデータサイエンスを積極的に学んでいただきたい。

(教師になることを簡単に諦めない)
 最後に、もう一つだけ申し上げます。今はおそらくほぼ全ての方が4年後、教師になろうと思っておられると思います。われわれとしてはぜひそうなってほしいと強く願っておりますが、なかなか現実はそうもいかない面があります。4年間いろいろなことがあると思います。順調にいかないこともあるでしょう。

 一番影響の大きい経験が教育実習です。本学は1年生から教育実習がありますが、とりわけ3年次には長い実習があります。この教育実習で当然、自信を深められる方もおれば、そうでない方もいるわけです。これはどこの大学でも同じだと思いますが、自信をもてたらそれが一番いいのですが、そうでなかった場合、簡単に諦めないでください。いろいろ友達と相談するとか、指導教員の先生に相談するとか、あるいは本学は教職キャリア開発センターがありますので、そこに校長を経験した方がたくさんおられますので、ぜひいろいろ相談してみてください。

 教師という職業は本来、クリエイティブな仕事なのです。つまり、新しいものをつくる仕事なのです。ところが今は長時間働いて、たくさんの業務を無理やりやらされているイメージがあるかもしれません。子どもたちのために自分の力で、また他の先生方と協力して、授業や学級をつくる。特にこれからはICTを活用した授業をつくらなければならない。これまでにないことを行うわけですから、本当に創造力が求められるのです。ですから、常に新しいものをつくっていく仕事ですので、非常にやりがいのある、魅力的な職業なのです。

 AIが発達すると、定型的な業務のみをこなす仕事はなくなるといわれています。高度専門職の代表である弁護士や公認会計士の職でさえ危ういという人もいます。しかし、教職は新しいものを自分でつくる創造的な仕事であって、定型化できませんので、なくなることはあり得ません。

 そのようなことを入学時にご確認いただくとともに、今の初志をぜひ全ういただくようにお願いします。

 それでは、これからの4年間が皆さまの素晴らしい人生をつくる糧となることを祈念いたしまして、学長からのお祝いの言葉としたいと思います。どうぞ頑張ってください。

令和5年4月5日 国立大学法人兵庫教育大学学長 加治佐哲也

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