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令和元年度学長祝辞及び修了生代表挨拶(大学院学校教育研究科)

令和元年度学長祝辞及び修了生代表挨拶(大学院学校教育研究科)

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R2.3.15撮影/芸術棟北側

学長祝辞

修了生(昼間クラス)代表挨拶

 兵庫教育大学大学院学校教育研究科の修了を迎えるにあたり、修了生を代表してご挨拶を申し上げます。
 例年よりも幾分暖かい冬が終わりを告げると共に、頬を伝わる風がいよいよ和らぎ、本格的な春の訪れを感じる季節となりました。また、新型コロナウイルス感染症拡大防止に伴う社会情勢、生活の変化の中で、いかにいつもの"日常"が大切で、幸せなことなのかを改めて実感しています。
 3月23日をもちまして、私たちは本大学院を修了いたします。「実践なき理論は空虚であり、理論なき実践は無謀である。」同期の仲間が入学式の挨拶で紹介したドラッカーの有名な言葉です。大学院に入学してからの二年間、私たちはそれぞれの研究室で、自らの研究課題に向き合いながら、この言葉の意味を追求してきました。特に、私のような現職教員にとっては、現場を離れ、自らの教師としての歩みを振り返ると共に、自らの課題意識に真摯に向き合うことのできたこの二年間は、大変貴重で有意義な時間でした。このような長期の研修をさせていただいたことに、今、改めて感謝申し上げます。
 私は、本学の学校教育学部を卒業し、小学校の教員となって17年になります。いくつかの忘れられない言葉があります。特別支援学級を担任し、卒業を間近に控えた最後の保護者との面談。「朝起きたらこの子が他の子と同じようになっていないかって、今でも思うんです。」この言葉に小学校教員として子どもと向き合う覚悟を改めて問われた気がしました。また、ニーズに基づいた支援に対し、「それって、甘やかしとんちゃう?」という同僚からの声。一人でも多くの子どもが自分らしく、学び、生活するとはどういうことだろうか。子どもだけでなく、教師自身も「学び続ける」必要があるのではないかと考え、本大学院で学ぶことを希望しました。
 大学院での二年間、三つの大切な学びがありました。一つ目は、先生方からの学びや院生の仲間との対話を通した「省察」です。特に、ストレート院生の仲間たちとの対話は、いつの間にか忘れてしまっていたものを思い出させてくれるとともに、これまでの自分自身を省察する機会を与えてくれました。二つ目は、「多様性」です。インクルーシブ教育を進めていく上で子どもたちの多様なニーズに応じることの大切さとともに、我々教員も学校現場だけでなく、医療や福祉、地域といった多様な世界、社会、人との繋がりを持つことの必要性を改めて感じました。三つ目が、「教師目線」から「子ども目線」への転換です。教師として経験を重ねる中でいつの間にか「こうすべき」「こうあらねばならない」という「教師としての当たり前」に縛られていました。特に発達障害支援実践コースの先生方や仲間との対話を通して、これまでの教師としての考え方や価値観が大きく揺さぶられました。子どもに教え込むのではなく、子どもから引き出そうとする姿勢、子どもと共に学ぼうとする姿勢、そして、今まで当たり前だったことについて「本当かな?」と問い詰めることのできる、そんな「子ども目線」に立った教師でありたいと強く願うようになりました。
 「初心忘るべからず」という言葉があります。能を大成した世阿弥の言葉です。この言葉には続きがあります。「時々の初心忘るべからず 老後の初心忘るべからず」その年齢、その段階では誰もが常に初心者であることを忘れてはいけない。そして、いくら歳を取っても完成したということはない。つまり、「学び続ける」ことの大切さ。私たち、修了生は、この春からそれぞれの新たな道を歩き出します。常に初心を忘れず、日々学び続けたいと思います。
 私たちは、こうして、無事、修了の日を迎えるまでに、たくさんの方々に支えていただきました。惜しみなくご指導してくださった先生方、研究に没頭できる環境を整えてくださった大学職員の皆様、いつも支えてくれた家族、職場、そして、共に学んできた仲間に改めて御礼申し上げます。
 最後になりましたが、兵庫教育大学のさらなるご発展と、皆様のご活躍を心よりお祈りするとともに、改めて感謝の念を申し上げ、謝辞とさせていただきます。

令和2年3月23日
修了生代表 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 特別支援教育専攻 発達障害支援実践コース 青木伸也

修了生(夜間クラス)代表挨拶

 柔らかな日差しに春の訪れを感じる季節となりました。
 ここに修了の日を迎えられたことを大変嬉しく思います。そして、修了生一同が集い、この喜びや新しい門出への不安や期待を分かち合えることが、どんなに尊いことなのかを身に染みて感じています。
 振り返ると、大学院での時間は瞬く間に過ぎていきました。それ程、充実した日々を送れていたのだと思います。仕事を持ちながらの研究は、覚悟していた以上に苦労も多く、困難を感じることが幾多とありました。
 しかし、先生方からの惜しみないご指導のお陰で、学ぶ楽しさに満ちたかけがえのない時間となりました。先生方から頂いた言葉の一つひとつが、新しい知見に触れる新鮮な驚きの連続でした。本当にありがとうございました。
 また、キャンパスの職員の皆さまは、講義に向かう私たちに、いつも穏やかな笑顔で声をかけてくださいました。社会人から大学院生へと気持ちが切り替わり、学びに集中することができました。
 これからは、仕事を終えて足早に、神戸ハーバーランドキャンパスに向かうことがないのだと思うと、寂しさを感じずにはいられません。
 夜間クラスでは、仕事上、巡り合うことがないであろう、職種や年齢を超えた沢山の人たちと出会うことができました。この出会いから得られた刺激とひらめきは、研究だけでなく、私たちの人生の糧となりました。
 また、自らの研究課題を胸に、日夜取り組んでいる者同士として、授業や廊下で顔を合わせるだけで、励まされ勇気づけられました。
 こうした人と人とのつながりが、自分の問いに対する答えを追求していく過程において、最後までやり遂げる力につながったのだと感じています。
 私たちは、兵庫教育大学大学院夜間クラスで過ごした日々から、良質な学びと、実り豊かな出会いを受け取ることができました。この恵まれた環境で培った知識や実践力を、自分たちのフィールドで活かし、社会へと還元していけるよう精進して参ります。
 最後になりましたが、今日まで私たちをご指導くださいました諸先生方、さまざまな場面で支えて下さった加東キャンパス、神戸ハーバーランドキャンパスの職員の皆様方に、改めて心からお礼申し上げます。また、学び励まし合ってきた友人たち、私たちを温かく見守り、支えてくれた家族に深く感謝致します。
 そして、兵庫教育大学のさらなる発展と、皆様方のご健康とご活躍を心よりお祈り申し上げ、謝辞とさせていただきます。

令和2年3月23日
修了生代表 兵庫教育大学大学院学校教育研究科 人間発達教育専攻 幼年教育・発達支援コース 梅垣美恵子

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