【大学生活短信】『遠回りのススメ』《松澤 千尋 さん》
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松澤 千尋 さん大学院学校教育研究科 修士課程 |
「自分のしていることは本当にこの子たちの為になっているのか」
そんな疑問を抱くようになったのが教員になって10年を過ぎた頃だったと思います。日々生徒たちと関わり、彼らにとって決して短いとは言えない学校での時間を有意義なものにしてあげたいと思えば思うほど、言葉にできないモヤモヤを感じるようになっていました。
モヤモヤをそのままにするのは気持ちが悪い。
けれども、それときちんと向き合うための時間が無い。
当時は日々の業務をこなすのに手一杯で、多少の違和感には蓋をするしかありませんでした。 そうこうしているうちに昨年教員生活12年目を迎え、受け持ってきた生徒たちも最終学年に上がる時期がやってきたとき、 「もうダメだ。この子たちの卒業を見届けたら、一旦ここを離れよう」
そう決めて受験をしたのが昨年の11月だったのですが、入学後は腰を据えてじっくり考える時間や、立場・校種・職種が異なる方々と学ばせて頂くなかで得られる示唆は非常に多く、この原稿を書いている今はあのとき決心して本当によかったと感じています。
もしかしたらこれをお読みになっている方の中にも受験を迷っている人がいるかもしれません。ただ、迷っている時点できっとそれは「したいこと」なのだと思います。遠回りをしたからこそ出逢える景色もあると信じて、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。少なくとも自然豊かで時がゆったりと流れる空間を全身で感じられると思います!