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限られた時間を大切に 《土本 周平さん》

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土本 周平 さん

大学院学校教育研究科修士課程
教科・領域教育学専攻
芸術系(美術)コース 2年

大学院生活2年目,土本さんの生活はどう変化しているのでしょうか。
土本さんの2年目の決意を手紙にしていただきました。

私は、人体をモデルとした塑造による具象彫刻の制作、並びに美術教育及び美術史・美学の研究をしています。

tsuchimoto_2.jpg彫刻の制作は、専科の先生方の丁寧な指導の下、本大学学部生の頃より続けています。最初の頃は粘土の塊をいかにモデルに近づけるか、という様に写実性を追及していました。この数ヶ月は彫刻の制作と共に美術史や美学の勉強をする中で、美術とはどういったものであるのか、その本質を考えながら制作に励んでいます。再現(ミメーシス)と表現(エクスプレシオン)、普遍性と特殊性、造形(フォルム)や寓意(アレゴリー)等といった事柄が、実際の制作の場においてどの様に関わってくるのか、という思いです。制作を続ける中で、多少は満足のいく作品ができるようになって来ましたが、最近あるテレビ番組でヴァチカン美術館の「ベルヴェデーレのトルソ」を見ていたく感動し、理論では説明しきれない美術の力を感じると同時に、比べるのも失礼ですが、自分の作品の卑小さに落ち込むといった状態です。

美術教育の研究は、講義で得た知識や色々な本の内容を整理している段階ですが、美の定義の幅広さや変動を見る度に美術教育の困難さを感じています。現代美術に見るような多種多様な表現を目にし、さらに古代から延々と続く美術・美学の歴史を傍観すると、美術そのものが一つの理論だけでは把握しきれない難解なものだと感じられます。

美術は日々変化し、その価値や定義は大変流動的なものです。 しかし、学校教育における美術を考えた時、本当に教えるべきことは何なのか? そこを明確にしない事には、その時その時の流行に流され、不確かな教育しか実現しないのではないでしょうか? そんなことを考えながら、美術教育の研究の前提として、美術そのものについて深く勉強する必要性を感じている今日この頃です。

これらの研究が今後どうなっていくのか自分でも分りませんが、大学院生という恵まれ、同時に限られた時間を無駄にせず日々前進していきたいです。

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